皇室典範の改正ってなんだろう

お世話になっております
最近、ニュースなど毎日で「皇室典範の改正」が取り上げられています。
皇室典範とは、皇位の継承や皇族の身分など、皇室制度の基本的なルールを定めた法律です。
行政書士試験でも、憲法第2条の「皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」という規定が出てきます。そのため、今回の改正は試験勉強の観点からも知っておきたいニュースです。
2026年7月17日、皇族数の減少に対応するための改正皇室典範が国会で成立しました。
今回の改正には細かな規定もありますが、大きなポイントは次の2つ
- 女性皇族が一般の男性と結婚した後も皇族に残れるようになる
- 旧皇族の男系男子を皇族の養子として迎えられるようになる
今回は、この2点を中心に見ていきたいとおもいます。
目次
そもそも、なぜ改正が必要になったのか
現在の皇室では、皇族数の減少が大きな課題となっています。
これまでの皇室典範では、内親王や女王が皇族以外の男性と結婚した場合、皇族の身分を離れることとされていました。
実際に、これまで多くの女性皇族が結婚を機に皇室を離れています。
その一方で、新たに皇族となる人は限られています。このままでは、皇室の公的な活動を担う皇族がさらに少なくなる可能性があります。
そこで今回、皇位継承の仕組みそのものを大きく変更するのではなく、まずは皇族数を確保するための制度改正が行われました。
女性皇族は結婚後も皇族に
現行の皇室典範第12条には、次のような規定があります。
皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる。
今回の改正では、この第12条が削除されます。
これにより、内親王や女王が一般の男性と結婚しても、当然には皇族の身分を失わないことになります。
例えば、現在の制度では女性皇族が一般男性と結婚すると皇室を離れますが、改正後は婚姻後も皇族として公的な活動を続けられるようになります。
ただし、結婚相手となる一般男性や、その間に生まれた子まで自動的に皇族になるわけではありません。
つまり、今回の制度は、一般男性が結婚によって皇族となる「女性宮家」の創設とは異なるものです。あくまで内親王・女王本人が、婚姻後も皇族の身分を保持する仕組みです。
なお、法律の施行時に既に内親王または女王である方については、一般男性との婚姻時に本人が希望すれば、従来どおり皇族の身分を離れることができる経過措置も設けられています。
旧皇族の男系男子を養子に迎える制度
もう一つの大きな改正が、皇族による養子縁組です。
これまでの皇室典範第9条は、次のように養子を全面的に禁止していました。
天皇及び皇族は、養子をすることができない。
改正後も養子禁止が原則であることは変わりませんが、新設される第38条の要件を満たす場合に限り、例外的に養子縁組が認められます。
養子となることができるのは、旧皇族の男系男子の子孫に当たる人です。
具体的には、主に次の要件が設けられています。
- 皇室典範による皇族男子であった者の嫡男系嫡出の子孫であること
- 現在は皇族ではないこと
- 15歳以上の男子であること
- 配偶者と子がいないこと
- 皇室会議の議を経ること
養子を迎えることができるのは、親王、親王妃、内親王、王、王妃及び女王です。ただし、皇嗣及び皇嗣妃は対象外とされています。
養子縁組が成立すると、その男性は縁組をした時から皇族となります。
養子となった本人に皇位継承資格はあるのか
ここは今回の改正で特に注意したいところです。
養子となった男性本人には、皇位継承順位を定める皇室典範第2条が適用されません。
したがって、養子本人は皇族にはなりますが、皇位継承順位には入りません。
一方、その養子のもとに将来生まれた男系男子については、実方、つまり養子となる前からの血統を基準として、皇位継承順位に関する第2条などが適用されます。
整理すると、次のようになります。
| 対象 | 皇族の身分 | 皇位継承資格 |
|---|---|---|
| 養子となった旧皇族系の男子本人 | 取得する | 取得しない |
| 養子となった男子のもとに生まれた男系男子 | 生まれながらに皇族 | 現行典範に従い取得する |
養子本人に皇位継承資格を与えるのではなく、その次の世代について現行の男系男子による皇位継承制度を適用する仕組みです。
そのため、今回の改正は「皇族数を確保するためのもの」と説明されている一方で、将来の皇位継承にも関係する重要な内容を含んでいます。
女性天皇や女系天皇を認める改正ではない
今回の改正によって、女性天皇や女系天皇が認められたわけではありません。
皇室典範第1条は、皇位継承について次のように定めています。
皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。
この基本的な仕組みは今回の改正後も維持されます。
したがって、「女性皇族が結婚後も皇室に残ること」と「女性・女系天皇を認めること」は別の問題です。
ここはニュースを読む際にも、行政書士試験の勉強でも区別しておきたいところです。
行政書士試験との関係
行政書士試験で皇室典範の細かな条文がそのまま問われる可能性は、それほど高くないと思われます。
ただし、憲法第1条から第8条までの「天皇」に関する規定は、憲法の基本事項として押さえておく必要があります。
特に今回のニュースと関係するのが憲法第2条です。
皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。
ここでのポイントは、皇位継承の具体的なルールは憲法にすべて書かれているのではなく、国会が法律として制定する皇室典範に委ねられているという点です。
また、今回の改正では行政手続法第4条も改められます。
行政手続法は、皇統譜など一定の事項を適用除外としていますが、その対象に「その他天皇及び皇族の身分関係に関する事項」が追加されます。
行政手続法は行政書士試験の主要科目なので、こちらも試験との関係では注目しておきたい改正です。
まとめ
今回の皇室典範改正は、主に皇族数の減少に対応するためのものです。
大きな変更点は、次の2つです。
- 内親王や女王が一般男性と結婚した後も皇族に残れるようになる
- 旧皇族の男系男子を養子として皇族に迎えられるようになる
ただし、誰でも皇族の養子になれるわけではありません。
さらに、養子となった本人は皇族にはなりますが、皇位継承資格はありません。その養子のもとに生まれた男系男子には、皇位継承資格が認められます。
ということで、私がいくら皇族の養子になりたいと願っても、そもそも養子の要件を満たさず、仮に養子になれたとしても天皇にはなれません😂
普段は少し難しく感じる皇室制度ですが、行政書士試験の受験生は、憲法第2条や行政手続法の改正と結び付けて確認しておきましょう!
※本記事は2026年7月20日現在の情報に基づいています。改正法は2026年7月17日に成立し、原則として公布の日から3か月を経過した日に施行されます。
今回はこのへんで
三重県・奈良県全域の車庫証明や名義変更は三重県自動車登録サポートセンターへ!
在留資格・帰化申請についてお悩みの方は在留資格帰化申請サポートへ!