行政書士ができる意外な業務【小型船舶の登録】

小型船舶の登録

お世話になっております。

以前より「他士業との業際問題は難しい」とこのブログでも書いているのですが、最近驚いたのが小型船舶の登録が今のところ行政書士の業務だということ。

船に関する登録と言えば「海事代理士」と思っていましたので(実際そうですが)、なぜ小型船舶の登録だけ扱いが異なるのか少し調べてみました。

目次

そもそも小型船舶とは?

国土交通省のHPによると次のようにあります。

「小型船舶」とは、総トン数20トン未満の船舶です。但し、総トン数20トン以上のプレジャーボートで、次の要件の全てを満たしている場合には、小型船舶に含まれます。
①一人で操縦を行う構造であるもの
②長さが24メートル未満であるもの
③スポーツ又はレクリエーションのみに用いられるもの(漁船や旅客船等の業務に用いられないもの)

 

小型船舶の登録についての根拠法は「小型船舶の登録に関する法律」によって定められています。(これ重要)

海事代理士の職域

海事代理士は海に関係した法律・法的手続きのプロで船舶や海運関係の登記や登録、申請、届出などの書類作成や手続きを代行します。海事代理士法で業務について定めています。

海事代理士法 第一条 海事代理士は、他人の委託により、別表第一に定める行政機関に対し、別表第二に定める法令の規定に基づく申請、届出、登記その他の手続をし、及びこれらの手続に関し書類の作成をすることを業とする。

 

別表第一 (第一条関係)
 国土交通省の機関
 法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所
 都道府県の機関
 市町村の機関
別表第二 (第一条関係)
 船舶法(明治三十二年法律第四十六号)
 船舶安全法(昭和八年法律第十一号)
 船員法(昭和二十二年法律第百号)
 船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)
 船舶職員及び小型船舶操縦者法(昭和二十六年法律第百四十九号)
 海上運送法(昭和二十四年法律第百八十七号)
 港湾運送事業法(昭和二十六年法律第百六十一号)
 内航海運業法(昭和二十七年法律第百五十一号)
 港則法(昭和二十三年法律第百七十四号)
 海上交通安全法(昭和四十七年法律第百十五号)
十一 造船法(昭和二十五年法律第百二十九号)
十二 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律(昭和四十五年法律第百三十六号)
十三 国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律(平成十六年法律第三十一号)(国際港湾施設に係る部分を除く。)
十四 領海等における外国船舶の航行に関する法律(平成二十年法律第六十四号)
十五 船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律(平成三十年法律第六十一号)(有害物質一覧表及び同法附則第六条第二項に規定する相当確認船級協会に係る部分に限る。)
十六 前各号に掲げる法律に基づく命令

 

長ーくなりましたが、海事代理士法第一条に定められている別表第一は小型船舶の登録は民間なので関係無し、別表第二には「小型船舶の登録に関する法律」が記載されていません。

行政書士は他の法律に制限されているもの以外の書類作成をすることができるので、海事代理士法に制限のない「小型船舶の登録に関する法律」については業務を行うことができるということです。

まとめ

「小型船舶の登録に関する法律」は平成13年にできた法律なので、海事代理士法の整備が遅れているだけなのかな?

個人的には海に関する手続きなので海事代理士ができるようにした方が国民の利便に資すると思うのですが、どうなのでしょう??

業際問題って難しいっ!

今回はこのへんで。

 

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