自筆証書遺言の遺言書保管制度と公正証書遺言はどっちがいい?

遺言

お世話になっております。

自筆証書遺言の遺言書保管制度と公正証書遺言はどちらをする方が良いのでしょうか?

ご相談を受けた場合、私はまずは、公正証書遺言のほうをお勧めしております。

では、自筆証書遺言遺言の保管制度って何のためにできたのか?

今回は自筆証書遺言遺言の保管制度のメリットデメリットについてご説明させていただきます。

目次


自筆証書遺言の保管制度のメリットって何?

原則として自筆証書遺言は、全て自筆し、日付を記入・押印をして、自分で保管しておかなければなりません。

しかし、自分で保管するとなると、紛失したり、誰かが改ざんしたり、そもそも遺言書が見つけてもらえないといったリスクが考えられます。

そこで、遺言書の滅失・毀損等のリスクを減らし、相続手続をスムーズに進めるために、遺言書保管制度が作られました。

また、自宅で保管する場合とは違い、家庭裁判所の検認を受ける手間が省けます。


公正証書遺言のメリットって何?

公正証書遺言は、遺言を残したい人が遺言の内容を公証人に伝え、公証人が作成する遺言です。公証人は、国民の権利義務関係を文書にあらわし、公証するという使命を負っている公務員ですので、遺言書の種類の中では最も信頼性が高く、基本的に無効となる事はありません。

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また、公正証書遺言の原本は、公証役場に作成後20年間保管されるため紛失のリスクもありません。

公正証書遺言についても家庭裁判所の検認の手続きが不要です。

 

自筆証書遺言保管制度を利用する際のデメリットは?

単なる自筆証書遺言の場合は、用紙の指定はされておらず、好きなものを使うことができますが、法務局で遺言書を保管してもらう場合には、様式等に定めがあります。この様式を間違えて遺言書を作成してしまうと、新しく作成しなおす必要があります。

また、本人が自ら法務局に出向く必要があり、代理人が行くことができず、写真付きの本人確認証明書を持参しなければなりません。


そして一番注意しないといけないのが、法務局で遺言書を保管する際は、形式はチェックしますが、遺言の内容についてのチェックがされないということ。

つまり、内容によっては自筆証書遺言の有効無効について、裁判で争いが起こる事も考えられます。

 

公正証書遺言のデメリットは?

公正証書遺言を作成するためには、公証人以外に証人を2人以上用意する必要があります。
この公証人と2人の証人は遺言の内容を知ることになるので、遺言内容を秘密にしたいという方には向いていないかもしれません。

また、自筆証書は自分で考えたことを書くだけなので、書くことが決まっている人なら1時間もあれば作る事も可能ですが、公正証書遺言の場合は、公証人と打ち合わせをする必要がありますので、その分時間がかかってしまいます。


結論:どっちがいいの?

先に述べましたが、自筆証書遺言の保管制度では、遺言書の形式に不備がないかどうかは申請時に確認してもらえますが、遺言の内容について、法務局がチェックしてくれるというものではありません。

対して、公正証書遺言の場合には、遺言者が口述した内容を公証人が、法的な見地から無効にならないように遺言書を作成してくれるため、信頼性を重視するなら絶対に公正証書遺言の方が良いでしょう。

ただ、公正証書遺言の場合には時間や費用がかかったり、遺言の内容を最低でも3人に対して見られてしまうといったデメリットもあります。

一概にどちらが正解ということはありませんが、自分が何に重きを置くのかで慎重に選ぶようにしてください。


まとめ

いかがでしたでしょうか、今回は自筆証書遺言保管制度と公正証書遺言について比較してみました。

自筆証書遺言の保管制度は紛失のリスクをなくすという一点だけをとっても素晴らしい制度ですが、そのデメリットも考慮に入れ、相続人間で無用な争いを避けるためにも、是非行政書士やその他士業に相談してから作成した方が良いと思います。

お悩みの方は是非お近くの行政書士へ!

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