行政書士と憲法について

行政書士と憲法

お世話になります。

今日は建国記念の日ですね!建国記念日というのは世界中にありますが、日本の皇室は「世界最古の王朝」であり、他の国と比べ建国や独立といった概念が薄く建国記念日を何月何日にするかというので議論になったとか

結局、日本書紀に出てくる神武天皇の即位の日が建国記念の日になったそうです。

さて、今回は国の基盤を支える法律!憲法について。

行政書士試験の科目には「憲法」が含まれており、5肢択一式で5問、多肢選択式で1問で合計28点分出題されます。

他の科目である「基礎法学」「民法」「行政法」「商法」「一般知識」に比べて直接行政書士に関わりが薄いように感じる憲法ですが、なぜ行政書士試験の科目に含まれているのかを考えてみたいと思います。

目次

憲法とは?

憲法は法律や条例のように国民の権利義務を制限するのではなく、国家権力を規制、縛ることで国民を守るために制定された法律です、国家の権力濫用を抑制することにより国民の権利利益が侵害されてきたという歴史的事実がもとに作られました。

学校でも日本国憲法の三大原則は①基本的人権の尊重 ②国民主権 ③平和主義と習ってきたと思います。

そして、日本の全ての法律はこの憲法の考えをもとに作られます。どんな内容の法律を作ったとしても憲法の考えに沿っていないと違憲となり無効となります。

98条
この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

三権分立について

三権分立

国の権力を立法権・行政権・司法権の三つに分ける仕組みを三権分立といい、国家権力が一つの機関に集中すると濫用されるおそれがあるため、三つの権力が互いに抑制し、均衡を保つことによって権力の濫用を防ぎ、国民の権利と自由を保障しようとする考え方で、憲法の条文にもそれぞれ定められています。

41条(国会の地位・立法権)
国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

65条(行政権)
行政権は、内閣に属する。

76条1項(司法権)
すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。

憲法尊重擁護義務(99条)

憲法の99条には憲法を守らなければならない人が列挙されています。この条文の特徴としては天皇や公務員等が挙げられているが国民が含まれていないこと。上記のように国民を縛るものではなく、国家権力が守るべきルールであることを最後に念押ししているような形ですね。

99条
天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

成文憲法・硬性憲法について

憲法の改正についてニュースで度々議論になります、安倍前首相も憲法改正を精力的に取り組んでいたので記憶に新しいのではないでしょうか。日本の憲法は成文・硬性憲法が採用されておりますので改正するためには高いハードルを越える必要があります。

96条1項
この憲法の改正は、各議員の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。
この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

つまり、①衆・参議院の総議員の3分の2以上の賛成 ②国民の投票の2分の1以上の賛成が必要となります国民から国家権力を縛るための法律なので国民の意思も問う必要があります。

また、憲法の柱である①基本的人権の尊重 ②国民主権 ③平和主義についてははできません、この3つを改正してしまうということはもはや革命となってしまうため。

行政書士試験に憲法が出題される理由

行政法の特色として民法や刑法のように基本となる法典がなく、行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法・国家賠償法など行政についての法律の集まりを行政法といい、これらの法律は行政の作用や組織についてより具体的に定める法であり、「行政法は憲法の具体化」とも言われています。

国民と行政の橋渡しを責務とする行政書士として憲法の理念・趣旨を理解していることは当然に求められる力と言えます。

まとめ

行政書士試験で憲法の比率は少なく28点/300点となっているため、後回しにされがちですが、憲法の趣旨を少しでも理解していると他の法律の学習効率が飛躍的に上がるように思います。

最近では憲法改正の流れからニュースなどで注目されることも増えました。

憲法を読んだことがないという方も、非常に格式高く、僅か103条で構成されている短い法律なのでこれを機に一度目を通してみてはいかがでしょうか!

 

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